近年、健康ブームでオーガニック食品(有機食品)を好んで購入する人が増えています。
健康を考えれば、当然でしょう。
そんなに健康に敏感な人でも、調理器具に関しては無頓着な方が多いのも事実です。
せっかくオーガニック野菜を購入し、アルミ鍋やテフロンコーティングのフライパンを使用したりしていませんか?
ここでは、アルミ製・ステンレス製・フッ素(テフロン)加工の事について説明しています。
調理器具が人体へ及ぼす影響は有るの?
調理器具の材質には、アルミ製・ステンレス製・アルミ+テフロン加工製・鉄製・セラミック製などが存在します。
一時期、『アルミ製の鍋を使用すると、アルミが溶け出し人体に影響を及ぼす』など聞いた事は有ると思います。
同様に、『ステンレス製は、クロムやカドニュームが溶け出し人体に影響を及ぼす』なども目にした事はあるのではないでしょうか?
実際どうなのでしょうか?
私はこの分野の専門家ではありませんので、私なりに調査した内容を共有出来たらと思いまとめて見ました。
アルミ製調理器具
正式名称:アルミニウム(元素記号:Al)
特徴:熱伝導率が高く、常温で安定している。融点は約660℃
アルミニウムは、調理中に僅かでは有るが溶け出し、体内に摂取される事は間違いない様です。
溶け出す量は、調理器具の状態(傷・錆など)や調理内容(酸性・アルカリ性)・調理温度などで若干の違いがある。
例えば、酢豚やトマトソースなどを高温で調理した場合、アルミニウムの溶け出す量は多くなります。
アルミニウムを多く摂取するとアルツハイマー病が発症すると騒がれた事もありましたが、この因果関係は証明されていません。
また、人体にとってアルミニウムが必要なのか?その役割は?・・・これも明確になっていませんね。
食材の中には、アルミニウムを含んだものも多くあります。
例えば、貝類・海藻類・キノコ・イカやタコ・一部の野菜などに僅かですが含まれています。
また、お菓子に使用されているベーキングパウダーにも微量含まれています。(アルミニウムフリーも有ります)
人間(成人以上)の口から入ったアルミニウムの99%は体内に蓄積されず、体の外へ排出されると言われています。
<アメリカの研究では>
アルミ鍋からは、アルミ化合物など成分が少なからず溶け出している。
危険性について、アルミ製の調理器具使用で悪影響があるとアメリカでは公式発表されている。
成長期の子供や赤ちゃんへの影響は大きいため、注意が必要。
こんな研究結果が報告されているのも事実です。
私が調べた結果、アルミニウム製の調理器具は、調理中に微量ではあるがアルミニウムが溶け出している事は間違いない様です。
それが人体に影響があるかは明確にされていないが、なんか気持ち悪い。
アルミニウム調理器具の注意点
・空焚きはしないように!
(アルミニウムの融点が660℃なので高温になるとアルミニウムの溶け出す量が多きなる)
・調理が終わったら、別の容器に食材を移し変える。(調理器具に入れたまま長期保存しない)
・使い終わったら、中性洗剤で洗い乾燥して保管する(アルカリ性の洗剤・塩素系洗剤は使用しない)
・調理器具内側に傷が付かないよう注意する。(金属製のヘラなどは避けた方が良い)
ステンレス製調理器具
ステンレスとは、鉄にクロムを10.5%以上加えた合金のことです。
その他にもニッケルなど添加物の含有の違いで種類も多い
特徴:錆びにくい・耐熱性や保温性が良い。融点は約1200℃
ステンレス調理器具は、鉄とクロムにニッケルなどを加えた合金が一般的です。
ステンレス製の鍋で味噌汁やトマトスープなどを作る時、塩分や酸性で長時間煮込むと金属成分が溶出する場合があります。
このステンレスに含まれるクロムから生成される六価クロム成分が発癌性があると言う説や、金属中毒で臓器不全を引き起こすなどが言われています。
ただし、これはステンレスが融点(1200℃)以上の場合の話ですね。
ステンレス製の調理器具を通常の使い方で人体に悪影響を及ぼしたと言う報告は上がっていませんでした。
ステンレス鍋の材質は色々あります。
高価な物には、アルミ板をステンレス板で積層している物も有ります。
あまり安価過ぎるものは耐性の面で控えた方が良いと思います。
含有物質の違いで熱に弱かったり、耐酸性が弱かったり、錆やすかったりする場合があります。
耐性が弱いと言う事は、調理中にいろんな物質が溶け出す可能性が高いかも知れませんね。
ステンレス製調理器具の注意点
・粗末品(安価過ぎる物)は要注意
・調理が終わったら、別の容器に食材を移し変える。(調理器具に入れたまま長期保存しない)
・使い終わったら、中性洗剤で洗い乾燥して保管する(アルカリ性の洗剤・塩素系洗剤は使用しない)
・調理器具内側に傷が付かないよう注意する。(金属製のヘラなどは避けた方が良い)
フッ素樹脂加工調理器具
フッ素加工とかテフロン加工などが良く知られています。
フッ素加工品は、耐熱温度が高く、摩擦係数が小さい為、焦げ付かず水や油をよく弾く性質を持っています。
その為、調理中に具材が付着し焦げ難い点がメリットです。
調理器具にコーチングされているフッ素系樹脂の厚みはとても薄く、柔らかい物です。
また、耐熱は260℃程度。
その為、金属製のフライ返し等を使用すると簡単に傷が付いてしまいます。
一度キズが付いてしまうと、焦げ付きやすくなりフッ素樹脂の剥がれがどんどん進んでしまいます。
剥がれた樹脂はどこに行ったのでしょうか?
そうですね、食材と一緒に・・・!
フッ素樹脂(テフロン)は、人体では吸収されず、排出されると言われています。
ただし、金属にフッ素樹脂を付ける時に使用する接着剤が問題と言われています。
主な接着剤は、
・PFOA(ペルフルオロオクタン酸)
・PFOS(ペルフルオロオクタンスルフォン酸)
この成分は体内に蓄積され易いく、発癌性があると言われています。
フッ素樹脂(テフロン)加工している調理器具には、PFOA/PFOSフリーと書かれている物は大丈夫です。
上記2種類に関して、2021年から、化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)に基づいて原則、製造・輸入・使用が禁止されています。
つい最近の話しですね!
それ以前に購入された調理器具はチョット心配ですね。
フッ素樹脂が剥がれていなければ安心ですよ。
フッ素樹脂加工の調理器具の注意点
・空焚きは厳禁 (200℃以下で使用)
<300℃以上になるとフッ素樹脂から有毒ガスが発生しやすくなる>
・熱いうちに急激に冷やさないこと。(熱いうちに水をかけるなど)
・調理が終わったら、別の容器に食材を移し変える。(調理器具に入れたまま長期保存しない)
・使い終わったら、中性洗剤で洗い乾燥して保管する。
・調理器具内側に傷が付かないよう注意する。(金属製のヘラなどは避けた方が良い)
鉄製調理器具
鉄は自然界に多く存在する金属です。(元素記号:Fe) 融点:1,583℃ ステンレス製より高い融点
鉄は人体に必要なミネラルの一種 (不足すると貧血を起こすとも言われています)
鉄製の調理器具で調理すると、鉄分が少量(約1mg〜1.5mg程度)溶け出します。
成人が1日必要とする鉄分の量は、約6.0mg〜7.5mgと言われています。
(年齢や男女差の違いも有ります)
鉄の調理器具を使って、3回調理すれば1日分の鉄分が摂取出来ると言う事になりますね。
足りない分は食材から摂取出来るので大丈夫でしょう。
鉄製の調理器具は、鉄成分が溶け出しても大量に摂取しなければ問題ないようです。
鉄分は人間にとって必要なミネラルの一種なので不足する方が問題ですね。
ただし、サプリメント等で補給している方は、取りすぎに注意しましょう。
鉄分の取りすぎは、便秘や胃のむかつきの原因になり易いそうです。
適量が一番ですね。
鉄製の調理器具は、使う程に使い勝手が良くなるのも特徴でしょう。
他の調理器具と比べてチョット重いですけどね。
鉄製調理器具の注意点
・鉄製の調理器具には、錆び易いのでシーズニングが必要になります。
(一部に調理器具は、シーズニング不要も有りますので取扱説明書を確認しましょう。)
・調理が終わったら、別の容器に食材を移し変える。(調理器具に入れたまま長期保存しない)
・使い終わったら、中性洗剤で洗い乾燥して食用油を塗って保管する。
鍋・フライパンなどが人体への影響 まとめ
調理器具の種類は色々有りますが、材質によって溶け出す成分も色々です。
基本的には、どの調理器具も人体への影響を与える程のものではない事が分かりました。
但し、子供に対する影響は不明です。
ある文献には、乳幼児の調理用にはアルミニウム製・ステンレス製・フッ素加工製品での使用は控えた方が良いとも書いてありました。
調理器具の中で、鉄製の調理器具が一番安心して使えるのではないでしょうか。
(個人的見解になります)
鉄製調理器具 参考:
楽天:https://search.rakuten.co.jp/search/mall/ダッチオーブン/
アマゾン:https://www.amazon.co.jp/ダッチオーブン/s?k=ダッチオーブン
オーガニックな食材を選ぶように、調理器具も良い物を選んだ方が良さそうです。
傷ついたフライパンや黒ずんだ鍋など長く愛用しているかは、この機会に新しい調理器具の購入を検討してみては如何でしょう。
安全性の高い調理器具は、鉄製以外にもホーロー製の物も有ります。
有名なところでは、バーミキュラ・セラポットなどが有りますので参考にして見てください。
調理器具の選び方の参考になればと思います。
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