モスアイとは、昆虫の蛾が持っていいる目の事です。
モスアイってなに?
moth(モス)=蛾、eye(アイ)=眼 モスとアイを組み合わせてモスアイと呼んでいるのです。
業界で話題になっている『モスアイ』と言う言葉は、蛾の眼を真似て反射防止の目的で作られた構造の事です。
蛾の眼にはまぶたと言う仕組みが無いんです。裸眼(眼球が出たまま)のままの状態で空中を飛んだり、餌を捕まえたりして生活しています。
ここで疑問が・・・。
汚れないの?・曇らないの?・眩しく無いの?
人間のように、まぶたや涙も無いわけですから不思議ですよね。それと、夜間、蛾の眼にライトを当てても光が反射しない事に気が付いた人が居たんだって。
モスアイ(蛾の眼)のすごい秘密 1
すごい秘密が蛾の目にあることを気づいたのは、1962年にベルンハルトとミラー氏らしい。元々は、「角膜突起」と呼ばれてていましたが、その後、モスアイ構造と呼ばれ、光の反射を防ぐ機能がある事を発見したらしいですよ。
その構造は、200nm〜250nmの高さとピッチ200nm程度の突起状のものでした。
蛾の眼を拡大するとこんな感じです。蛾の眼は複眼(小さな眼が多く集まって一つの目の役目をする構造)です。
丸の部分をさらに拡大すると、200nm~250nmの突起(凸凹)が無数にあるんですね。
のこの凹凸の形状が、水を弾くから蛾の眼は汚れないと言う事ですね。
水滴(雨粒)の大きさは、だいたい50μm〜100μm程度です。
蛾の眼の凹凸は単位が違う程、小さい事がわかりますね。だから、水滴が凹凸の中に入っていかず、表面で弾いてしまうんですね。 ちょっと分かりにくでしょうかね?
それでは、こんな光景みた事が有りますよね?
そうです、これは蓮の葉や里芋の葉に雨水が溜まったところです。蓮の葉も同様に、小さな凹凸が無数にある為、この様な状態になるのですね。
蛾の眼(モスアイ)も同じ理屈なんですね。
この突起(凹凸)の先端は多少汚れるけど、眼全体が汚れない構造になっていたのですね。
この機能を応用したのが、ヨーグルトの蓋らしいですよ。
ヨーグルトの蓋の内側にも微細な凹凸加工をしている為、蓋にヨーグルトが付かないと言う事ですね。
昔は、こんな技術が無かったので蓋にいっぱいヨーグルトが付いてしまっていました。もったいないと、舌でペロリとした経験をお持ちの方もいると思います。
モスアイ(蛾の目)のすごい秘密2
蛾の眼のもう一つの機能は、光を反射しないと言う事。
蛾は、夜行性の昆虫ですので、眼に月の光があたり反射すると獲物を上手に捕まえる事が出来ないですね。その為、光を反射させず、少ない月の光を眼の奥に届けられる様に進化したらしい。
蛾の眼が反射しない理由(イメージ)
この様に凹凸内に入った光は内部で反射し、外に漏れない構造になっている。凸と凸の間に入った光は、凸の壁で反射し凸の外に出ていかない。
この様な構造なので、反射を極限まで抑える事が出来るのです。
この素晴らしい機能を工業製品に応用しようと研究開発が進み、蛾の目の構造を真似て人工的に作り上げたのがモスアイ構造と呼んでいるのですね。
モスアイの用途
どんなものに応用されているのか?
- カメラのレンズ
- テレビやパソコンの画面
- 美術館や博物館のガラス
- 太陽光パネル
この様に光の反射が邪魔して本来見たいものが綺麗に見えないものなどに使用されています。
モスアイ の欠点
人口的に作ったものは、汚れが付着しやすく指紋などが付くと中々拭き取れない欠点が有ります。
無理に擦るとモスアイ 構造の凹凸が潰れてしまい、効果がなくなってしまう。その為、タッチパネル式カーナビやスマホや、タブレットには中々採用がされていない。指が触れる様な用途にはまだまだ問題が多く改善が必要なのが状況です。
モスアイ の事が何となく分かった気になれた まとめ
- モスアイは、蛾の眼の構造を真似て人工的に凹凸を作ったもの
- モスアイは、光の反射を抑える効果がある
- モスアイは、水滴を弾く効果がある
最近は、この凹凸部分を強化する技術が開発された。
『東京理科大』が、グラッシーカーボン素材を使用して実現化に向けて開発中です。
いい所までは来ているのですが、現行のタッチパネルと同等に使用できる様になるにはもう少し時間が必要。
これが開発出来れば、用途は無限に広がるのではないでしょうか。
早く完成して欲しいですね。
モスアイ てなに?が何となくわかった気になる説明でした。
この様に、動物や植物などから研究が始まり、私たちの役に立っているものが他のもたくさん有るんですね。興味がある方は調べてみて下さい。
読んでくれて有り難うございます。
コメント